
2026年8月4日(火)「歯科口腔衛生分野の保健事業推進セミナー」をオンラインにて開催いたしました。 本セミナーは、全国の保険者で糖尿病性腎症重症化予防や歯科口腔衛生事業に携わるご担当者様を対象に、国の施策や具体的な取組事例、データ分析を事業に活かすためのヒントを共有し、日々の保健事業推進の一助としていただくことを目的として実施しました。
全国から192件のお申し込みをいただき、当日も多くのご担当者様にご参加いただきました。

【基調講演】 「データが示す歯科保健医療の意外な実態:事業実施に活かす視点と戦略」
講師より「変わる歯科疾患の常識」や「ポピュレーションアプローチの重要性」をテーマに解説が行われました。

(東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 歯科公衆衛生学分野 教授 相田 潤 先生)
講演では、国際的な口腔保健への注目度の高まりを背景に、データに基づく現状の解説と、今後の効果的なアプローチが示されました。
近年では、子どものむし歯減少や、高齢者の「8020(80歳で20本以上の歯を残す)達成率」の向上など、一見すると状況は改善しているように見えます。しかし、データが示す「意外な実態」として、むし歯を持つ小学生の数が他疾病と比較して多いことや、高齢化に伴い8020未達成にあたる「歯が19本以下」の高齢者数はむしろ増加している事実などが紹介され、統計データを多角的に読み解く重要性が語られました。
また、ポピュレーションアプローチとして、受診率が低い働く世代の就業時間内における受診機会を確保する「職域での受診サポート」や、家庭環境による子どもの健康格差を解消する「集団フッ化物洗口」など、個人の努力だけに頼らない「社会環境の整備」の有効性が示されました。
【講演】 「丹波篠山市における歯科保健の取組」
兵庫県丹波篠山市様より、同市が取り組む全世代への切れ目のない支援の中から、成人期以降の保健対策として実施している3つのアプローチについて発表が行われました。

(兵庫県丹波篠山市 様)
まずは、高い受診率を維持している「歯周病検診」の事例が紹介されました。 同市では、検診受診のメリットを明確にして啓発に繋げるためのデータ分析を実施しました。その結果、歯周病治療者は歯周病と関連のある生活習慣病の医療費が低くなっているなど、論文で示された関係と同様の傾向があることが分かりました。今後はこのデータを、地域の実情に応じたより効果的な受診勧奨や、今後のさらなる事業展開に役立てていく方針が示されました。
次に、糖尿病ハイリスク者を対象とした「糖尿病のための歯科検診」が紹介されました。 受診者は少数に留まるものの、追跡データからは好ましい変化の傾向が報告されました。
最後に、高齢期の介護予防として歯科衛生士と栄養士が協働して実施している「おくちとからだの元気アップ教室」が紹介されました。 口腔機能の向上が確認された一方で、参加者が健康意識の高い層に偏っているといった課題に対し、今後の改善に向けた取り組みが語られました。
【事例紹介】 「他の保険者様、自治体様の取組事例」
当社社員より、他自治体における取組事例の収集方法や、オープンデータから見る歯科保健の傾向についてご紹介いたしました。
まず、厚生労働省の「歯科保健医療情報サイト」をご紹介し、他自治体の事例を収集できる旨をお伝えいたしました。また、各種オープンデータの分析結果から歯科保健の傾向と重要性についてご紹介いたしました。
まとめ
ご参加いただいた皆様からは「『むし歯は減っているから大丈夫』というイメージだけに捉われず、医療費などの実態データに目を向ける大切さに気づけた」といったデータ分析の重要性に関するご感想や「他自治体の具体的な取組を参考に、自組織の課題に応じたアプローチを検討したい」「紹介された事例検索用のサイトを、今後の事業計画や実務にぜひ役立てたい」といった実践に結びつくご好評の声を多数いただきました。
当社は、今後も保健事業の実践に役立つ最新情報を、情報発信媒体などを通じて積極的に発信してまいります。
開催情報
開催日時:2026年8月4日(火)13:00~14:30
タイトル:「歯科口腔衛生分野の保健事業推進セミナー」
形式:オンラインセミナー
主催:株式会社データホライゾン

