【セミナー報告】高齢者の「二次骨折リスク」「睡眠薬多剤併用」のリアルと対策

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2025年11月19日(水)、「エビデンスに基づく 効果的・効率的な保健事業の実践セミナー」をオンラインにて開催いたしました。本セミナーは、保険者様の効果的かつ効率的な保健事業の実施に資する範囲で利活用許諾をいただいたレセプト・健診データといったDeSCヘルスケアが提供する大規模医療データから研究された論文をもとに、健康上のリスクや医療費など医療・ヘルスケアに関するさまざまな課題やそれを解決するための示唆をご紹介し、保健事業の実践に繋げていただくことを目的として定期的に開催しています。

当日は、全国の自治体・健康保険組合から約160名のご担当者様にご参加いただきました。

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【講演実績】データが示す高齢者の健康リスク

今回は、薬剤疫学、精神科学の分野より2名の先生をお招きし、それぞれ「二次骨折のリスク評価」と「向精神薬の処方実態」という、超高齢社会において重要性の高いテーマについてご講演いただきました。

基調講演Ⅰ:レセプトデータを用いた退院後の二次骨折のリスク評価

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赤沢先生からは、大腿骨近位部骨折(高齢者が転倒で起こしやすい股関節付近の骨折)後の二次骨折のリスクに関するDeSCヘルスケアの大規模データベースの解析結果についてご報告いただきました。

【講演概要】

●骨折と日常生活の質の低下、二次骨折リスク: 大腿骨近位部骨折は、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の低下、さらには死亡率の増加につながる重篤な疾患であり、一度骨折した患者は二次骨折のリスクが高いことが知られている。
●二次骨折リスクの分析: 大規模レセプトデータ(約9.4万人の患者データ)を用いた分析の結果、大腿骨近位部骨折後の二次骨折発生率は4.9(100人年あたり)であった。また、二次骨折のハイリスク患者として、高齢、女性、そして「骨折リスク薬」(特に2種類以上)を処方されている患者が有意に関連することが示された。
●保健事業への示唆: レセプトデータを用いることで、二次骨折のハイリスク患者を特定し、定期的なモニタリングや予防対策を検討する重要性が示唆された。適切な退院時マネジメントと、医療情報を取り扱える医療者を育成するためのデータサイエンス教育の支援が、地域の保健事業において重要である。
※赤沢 学 先生の講演内容より抜粋

基調講演Ⅱ:高齢者における向精神薬の処方実態

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竹島先生からは、高齢者における睡眠薬を中心とした向精神薬の処方実態と、その適正使用に向けた課題について、最新のガイドラインやデータに基づきご解説いただきました。

【講演概要】

●睡眠薬の不適切使用: 不眠症の治療ガイドラインでは、まず「不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)」を第一選択とするが、実際には長期処方や多剤併用といった不適切使用が多く見られる。高齢者の場合、ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系(Z-drug)の睡眠薬は、認知機能低下、せん妄、転倒・骨折のリスクを高めるため、特に慎重な投与が求められる。
●処方実態の分析:DeSCヘルスケアの大規模データベースを用いた分析の結果、高齢者の約10%に睡眠薬が処方されており、そのうちの約12%には多剤併用療法が行われている実態が明らかになった。
●保健事業への示唆:今後、高齢者の睡眠薬の適正使用を推進するためには、大規模なデータを用い、不適切使用の要因分析を行う必要がある。
※竹島 正浩 先生の講演内容より抜粋

まとめ

ご参加いただいた皆様からは、「大変わかりやすく、骨折予防をどの様な切り口から進めるかのヒントになった」「医療者が保健指導をおこなう支援者にどのようなことを求めているのか知ることができた」「睡眠薬重複時の声掛けの仕方など、実践的で参考になるものがあった」といったご好評の声を多数いただきました。
弊社では今後も、エビデンスに基づいた保健事業の実践に役立つ情報提供やセミナーを企画してまいります。

<開催概要>

開催日時: 2025年11月19日(水)14:00〜15:30
タイトル:エビデンスに基づく効果的・効率的な保健事業の実践セミナー
形式: オンライン(Webセミナー)
主催:株式会社データホライゾン

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