論文コラム
保険者様から利活用許諾をいただいたデータは、匿名加工情報に加工され、その利用目的である効果的かつ効率的な保健事業の範囲内で、アカデミアや製薬企業による論文発表などのエビデンス創出に活用されています。
本コラムは、こうしたデータ利活用を通じた社会還元や、保険者様の日常業務に役立つ情報提供の一助として作成しています。
- 2025/11/21
- 月3日以下の頭痛でも7割が生活に支障あり。片頭痛の隠れた負担実態
- 疾患領域:片頭痛
- ズキズキと脈打つような痛みを伴うこともある「片頭痛」。日常生活に支障の出るほどの強い痛みもありますが、「たまにある頭痛」程度であれば、市販薬で対処したり、我慢したりしている方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介する研究は、片頭痛の頻度と、QOLや労働生産性への具体的な影響を明らかにしたものです。片頭痛のような受診率が低く、医療データ(レセプト)だけでは見えにくい健康課題も、オンラインアンケートによる自己申告(質問票)と組み合わせることで明らかにできる可能性があります。
- 2025/10/29
- 「未治療の高血圧」対策の新たな可能性。「kencom」が服薬開始を後押し
- 疾患領域:高血圧
- 健診で高血圧と指摘されても自覚症状がないため医療機関を受診せず、治療を始めないまま放置してしまう——これは、多くの自治体や健康保険組合が抱える共通の課題ではないでしょうか。特に、若年層や勤労世代ではその傾向が顕著です。本コラムでは、DeSCヘルスケアが提供するヘルスケアエンターテインメントアプリ『kencom』が、この「治療開始の壁」を乗り越え、高血圧の服薬治療開始を促す可能性を示した論文をご紹介します。
- 2025/10/28
- “たった3つ”の健診質問で将来の骨折を早期発見!高齢者のための予防戦略
- 疾患領域:高齢者、整形外科
- 要介護状態となる原因の1つである骨折は、生活の質を著しく低下させるだけでなく、入院や治療による医療費を押し上げる大きな要因です。骨折を未然に防ぐための効果的な予防策は、自治体の保健事業において重要なテーマと言えるでしょう。今回ご紹介する研究は、後期高齢者の健康診断で使われる「後期高齢者の質問票」に含まれるたった3つの質問が、将来の骨折リスクを予測する上で有用な手掛かりとなることが明らかになりました。
- 2025/09/25
- 肥満は一様では語れない?医療費を左右する『7つの肥満タイプ』とは
- 疾患領域:高度肥満症
- 医療費の増大が社会課題となる中、生活習慣病の主なリスク因子の一つである「肥満」への予防・対策を検討している自治体は多いのでは。実際、肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症といった合併症を引き起こし、医療費を押し上げる要因でもあります。しかし、全ての肥満患者が同じ状態にあるわけではありません。今回ご紹介する研究では、肥満患者の実態や予後には様々なタイプがあり、一様には語れないことが明らかになりました。
- 2025/09/24
- 透析患者の医療費適正化へ。口腔ケアが心臓病・肺炎リスクを低減
- 疾患領域:慢性腎臓病、脳心血管疾患、肺炎
- 透析治療を受けている患者にとって、脳心血管疾患や感染症は、命に関わる深刻な合併症として知られています。これらの重篤な疾患をいかに予防し、患者の健康寿命を延伸していくかは、医療費適正化の観点からも重要な課題です。このような状況の中で、いわゆる「お口の健康」が全身の健康にどのように影響を与えるのか、特に透析患者の命に関わる合併症の予防との関連を明らかにした論文をご紹介します。
